大統領令の弊害
トランプ大統領が就任して、はや1か月が過ぎました。その過激な発言が、果たしてどこまで実行され、どれだけの批判が膨れ上がっていくのか。心配はつのるばかりです。「自由の国アメリカ」というイメージは大統領によって無きものになってしまうのでしょうか。
さて、今回はトランプ大統領が打ち出した「諸外国国籍の移民の米国入国規制」について取り上げます。
大統領はテロの危険を未然に防ぐため、特定の外国人の入国を規制する大統領令を発布しました。この命令は90~120日間、中東7か国の移民の入国を禁止するものです。
それに対し、ワシントン州の司法局が待ったをかけました。
司法局は、大統領令の内容が憲法の内容に反するという理由で反旗をかかげました。
この一転二転する攻防に辟易しているのは、アメリカへの移住を希望している中東の住民です。ある中東男性は、2年に渡る手続きを経て、シカゴへの移住が決定しました。大統領が就任する1か月ほど前に、荷造りを終え、部屋にはコンパクトにまとまった荷物のみとなりました。しかし、そこで状況は一変します。大統領が移住の禁止をうちだしたのです。それは2年前から積み上げてきたものが、ガラガラと崩れ落ちる。それはもう、たいへんなショックをうけたことでしょう。
私にはその政策の良し悪しはいまいち分かりませんが、そういった大きな不利益を被る可能性がある人たちのことも、少しは考えてみても良かったのではと思います。それによる国民の反発も勿論大きくなることは見えていただろうにとも思いますし。
これから、きっと世界はめまぐるしく変わっていくでしょう。
日本もうかうかしてられませんね。